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将棋棋士の食事とおやつ出張所

2017年度順位戦食事別勝敗統計(個別メニュー編)

2017年度順位戦食事別勝敗統計は今回で最終回。
今までの記事と、2009年度の記事のリンクはこちらから。

2017年度順位戦食事別勝敗統計(出前店編)
2017年度順位戦食事別勝敗統計(食事分類編)
2017年度順位戦食事別勝敗統計(追加注文編)

2009年度順位戦食事別勝敗統計(概要)
2009年度順位戦食事別勝敗統計(食事分類編)
2009年度順位戦食事別勝敗統計(個別メニュー編)

最終回は、2009年度と同じく個別メニューを。
ただし、2009年度と違い店舗の違うメニューに関しては別カウントとして、店のメニューは固有のものとして見ていきたいと思う。


まず、関東の注文数トップ10はこちら

1位.「ほそ島や」のカレーライス 46回(20勝26敗.435)
2位.「みろく庵」のみそ煮込みうどん 44回(28勝16敗.636)
3位.「みろく庵」の肉豆腐定食 43回(23勝20敗.535)
4位.「千寿司」の上にぎり寿司 41回(26勝9敗.743)
5位.「ふじもと」のうな重(梅) 38回(15勝23敗.395)
6位.「千寿司」の中にぎり寿司 27回(13勝14敗.481)
7位.「ふじもと」のチキンカツ丼 26回(17勝9敗.654)
8位.「ほそ島や」の冷やし中華 25回(11勝14敗.440)
9位.「ほそ島や」の上親子丼 25回(12勝13敗.480)
10位.「紫金飯店」の五目焼きそば 23回(11勝12敗.478)

続いて、関西で15回以上注文されたメニューはこちら
1位.「やまがそば」の親子丼セット 26回(17勝9敗.654)
2位.「内山田」の和牛100%ハンバーグ弁当 26回(15勝11敗.576)
3位.「内山田」の和牛ステーキ定食 22回(15勝7敗.682)
4位.「イレブン」のサービスランチ(豚ロース肉しょうが焼き)20回(9勝11敗.450)
5位.「イレブン」の珍豚美人 18回(10勝8敗.556)
6位.「小雀弥」の親子丼 15回(8勝7敗.533)
※「やまがそば」の鍋焼きうどん12回(5勝7敗.417)
※「やまがそば」の親子丼単品11回(7勝4敗.636)
註・親子丼の店名不明分が21回、鍋焼きうどんの店名不明分が14回あり、この2メニューは総注文回数が未確定。


2009年度のランキングと比べると色々と面白い。
上位の親子丼・みそ煮込みうどん・カレーライスは変わらず、勝率もほぼ同じ。

親子丼は「ほそ島や」の上親子丼こそ不振に終わった(12勝13敗.480)が、「やまがそば」の親子丼はセットものを含めても勝率6割を維持(不明分があるため、勝率は変わる可能性あり)。
「小雀弥」の親子丼の勝率は普通なため、「やまがそば」の勝率が際立つ。
「小雀弥」と違って卵を溶いている事、「みろく庵」や「ほそ島や」と違ってご飯が見えない程盛る事、等から、写真を見る限り美味しそうに感じる。

注文数が多いという事はやはり美味しく、それが将棋にも反映されているのだろうか。

みそ煮込みうどんも安定して勝率が高い。
北浜八段5勝0敗、髙崎六段3勝0敗と稼いだ棋士はいたが、合計14人と多数の棋士が採用していてこの高勝率はある程度信頼性がありそう。
みそ煮込みうどんの何が将棋へのパワーを与えているのだろうか。
後述する雑炊系メニューも高勝率を維持していた事を考えると、消化に良い食事というのも高勝率に寄与しているのかもしれない。
ちなみに、「やまがそば」のみそ煮込みうどんは7勝13敗.350と、2017年度は不振に終わった。

肉豆腐定食と各種寿司が浮上。
肉豆腐定食は2013年度頃より順位戦の食事メニューの定番となっており、すっかり定跡になってしまった。

寿司のランクアップに関しては、今まで外出先で食べられていたものが出前に変わったのだろうか。
将棋界の対局中の食事としては古くから定番(1950年頃、中野時代の将棋連盟の出前店は寿司か蕎麦、住吉時代の関西本部の出前は寿司か鰻であった)なので、個人的には嬉しい。
上にぎり寿司は永瀬七段7勝0敗石井五段6勝0敗と2人が大きく稼いだが、他の14棋士でも13勝9敗.591とまずまずの数字である。

カツ丼はチキンカツ丼に取られたか2017年度は注文数が減少。千葉七段の布教が実った形。
チキンカツ丼は9棋士が頼んだが、注文数の多い3人で貯金を作った。
・中村太地王座6勝3敗.667
・阿久津八段4勝1敗.800
・千葉七段3勝1敗.750
この3人は「単品の中村王座」「赤だしの阿久津八段」「みそ汁の千葉七段」と好みがはっきり分かれているのが面白い所。
チキンカツ丼に付ける汁物は何が最善なのか、という戦いは、今年も続くのだろうか。


きざみうどん・きつねうどん・玉子とじうどんは注文数が大きく下がっている。
これは、関西の食事メニューの多様化により、やまがそばの注文数が減っている事が理由として挙げられる。
その代わり、「内山田」が木曜日のみの提供であるにも関わらず上位進出&高勝率。
この勝率が2018年度以降も続くのか、楽しみに待ちたい。


最後に、9食以上注文されたメニューの中で、勝率が6割5分以上のものでまだ紹介していないものを取り上げる。

・「やまがそば」のにゅうめん 9勝0敗1.00
6棋士の採用で無敗。西田四段が3勝0敗。
2009年度は採用なしなので近3年を調べた所、2014年度は4勝2敗・2015年度は3勝2敗・2016年度は2勝2敗と特徴のないメニューであったが、2017年度は爆発した。

・「やまがそば」のカレー定食(うどん) 11勝2敗.846
豊島八段が6勝1敗.857と荒稼ぎ。残る5棋士で5勝1敗。
2009年度は1勝7敗.125で、桐山九段が0勝5敗と振るわなかった。
師匠の定跡のカレー定食を豊島八段は2016/12/28の棋聖戦対北浜八段戦から採用するようになっていて、豊島八段の順位戦通算では8勝1敗.889と高勝率。
2018年度の1回戦は「小雀弥」のカレーうどんとご飯に変化していたが、今後の採用はあるのだろうか。

「イレブン」のサービスランチ(一口ヘレカツ) 9勝2敗.818
全てC級1組の8棋士の採用。複数回頼んだ棋士も2局まで、様々な棋士が高勝率を支えた。
2016年度も9勝5敗.643なので、2年続けて高勝率メニューとなった。
同じ曜日のサービスランチである、"チキンステーキ&白身魚盛合せ"は2017年度3勝4敗.428(2016年度8勝6敗.571)と特徴のない数字。

・「みろく庵」のつけとろろそば 8勝2敗.800
村中六段が2勝1敗の他は、7棋士が単発で注文してこの成績。
集計には含まれていないが、A級プレーオフ5回戦で羽生竜王が夕食に頼んだのがこのつけとろろそば。
名人挑戦の原動力になった2017年度の隠れた勝負めしであった。

・「みろく庵」の梅雑炊 13勝4敗.765
千田六段が5勝0敗、佐々木勇気六段が4勝0敗(うち餅を入れて3勝)と2人で稼いだ。

ご本人に先に書かれてしまったが、千田六段にはMr.梅雑炊の称号を改めて贈りたい。

・「紫金飯店」の五目炒飯 10勝5敗.667
羽生竜王が最多注文も2勝2敗で、残る10棋士が8勝3敗.727と細かく貯金を貯めた。
炒飯系が不振を極めた中、一人気を吐いた形。
なお、「珉珉」の五目焼き飯は0勝5敗と大不振。こちらは炒飯系の不振を引きずった。

・「みろく庵」の豚キムチうどん 8勝4敗.667
深浦九段が4勝0敗と稼いだ。残る6棋士で4勝4敗。
2009年度は0勝1敗。過去3年は2014年度3勝5敗・2015年度4勝5敗・2016年度4勝4敗。
今年は深浦九段が連採した事が、高勝率を支えた形。
藤井四段(当時)の29連勝を決めた対局で注文されたものとして、出前を運ぶ様子から注目されたメニューであるが、順位戦でも少しだけ注文が増えたようだ。
ここでは、豚キムチうどんマイスターの窪田七段に豚キムチうどんの食べ方を教えていただいて〆にしたいと思う。




最後になりますが、食事データを取材いただいた順位戦中継記者の方々と、将棋ペンクラブログの末席幹事氏に感謝致します。
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将棋棋士の食事とおやつに関する話

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