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将棋棋士の食事とおやつ出張所

漫画「将棋めし」玉座戦五番勝負の対局場所と食事を考える

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漫画「将棋めし」玉座戦五番勝負の対局場所と食事を考える

漫画「将棋めし」がドラマ化されて、初話が8/2に放映された。
第1食の対局場所をどこにするのか非常に興味があったのだが、ドラマでは覇王戦予選となっていて、玉座戦ではなかった。
出前の食事にフォーカスを当てるような構成だったのでそれ自体は仕方ないと思うのだが、個人的にはちょっと残念。
玉座戦第5局がどこで行われたのか、他の人の解釈を見たかった気持ちがあったからだ。

玉座戦五番勝負の第4局までの対局場所と、夕食のカレーの種類は第1食4Pで公表されている。
これは第5局の対局場所と合わせて全五局の対局場所と食事を推理せよとの作者の問いかけだと思うので、考えてみたい。

単行本を持っていない人は、こちらから第1食を開いて一緒に考えよう。
将棋めし


まず、4局までの対局場所と食べたカレーを考えたい。

第1局は東京付近
第2局は大阪付近
第3局は新潟付近
第4局は宮城付近
カレーはチキン・シーフード・カツレツ・ポーク

イージーなのは第3局。「龍言」のカツカレーで決まりだ。他にカツカレーの出る対局場はない。
ちなみに、「龍言」は最近だと第41期棋聖戦七番勝負第6局2日目の昼食で井山棋聖が海鮮丼を採用しているので、宝山玉座が海鮮丼を頼んだのも「龍言」だと思われる。

第4局も仙台で比較的分かりやすい。ただ「仙台ロイヤルパークホテル」が王座戦ではメジャーだが、ホテルのレストランでビーフカレー以外が提供されているかが不明。
となると、「ホテルメトロポリタン仙台」のシーフードカレー になるのだろうか。
ひとまず保留する。

第1局は、東京となると開幕局の前夜祭も兼ねるわけで「ホテル椿山荘東京」が大本命。レストランでの提供ではポークカレーになるが、森内名人によるチキンカレーの採用歴があるのでそちらを取り入れたい。

第2局は難局で、王座戦と考えると「ウェスティンホテル大阪」だが、レストランのメニューにポークもチキンもない。
タイトル戦用にポークカレーを用意したか、第4局は「仙台ロイヤルパークホテル」でそちらでポークカレーを食べていて、こちらでシーフード(シュリンプ)カレーを採用している可能性もある。
シーフードカレーの絵を見ると海老が自己主張をしているので、ここでは後者を採用する事とする。

というわけで、第4局までの対局場所と峠六段の夕食の推定、及びカレー画像のリンクは次の通り。

・第1局
東京都文京区「ホテル椿山荘東京」チキンカレー
【第72期名人×羽生三冠】名人戦の「将棋めし」(第1食のカレー本体の元ネタでもある)
・第2局
大阪市「ウェスティンホテル大阪」シーフードカレー
ルームサービス 軽食(画像はビーフカレーだが、レストランではシュリンプも食べられる)
・第3局
南魚沼市「龍言」カツカレー ※海鮮丼の予定だったが、宝山玉座が頼んだので変更
2日目 昼食休憩(色々あるがミニ海鮮丼付のものを)
・第4局
仙台市「仙台ロイヤルパークホテル」ポークカレー
ガーデンレストラン「シェフズテラス」〜仙台ロイヤルパークホテルのガーデンが一望できるレストランでランチビュッフェ〜 (画像はビーフカレーと思われる)


第4局までを一通り考えた所で、いよいよ本題の第5局である。
ビーフカレーは椿山荘のものなので対局場も椿山荘であると考えていいような気がするが、ちょっと待って欲しい。
対局場の配置が椿山荘とは違う(襖と壁の位置、掛け軸など)のと、椿山荘にあるのはそば処なので、うどんは提供していないし関西風の出汁は用意できない。
海の幸とペンネのグラティネは道後温泉の「大和屋本店」のメニューでもあるし、カレーがたまたまた椿山荘式のカレーであっただけで、対局場は別であると考えたい。
椿山荘はどの棋戦でもタイトル戦の前夜祭を兼ねて第1局に行われるのが通例であるので、玉座戦でも第1局に行われたものとしてここでは扱う事にする。

うどんに関西風のダシが用意できる事を考えると、少なくとも関西以西ではなく、そして関西の影響もある地域だと考えられ、東海地区だと推測できる。
メニューを見ると、上5つはいずれも静岡対局で採用されたものであり、「照り焼き地鶏重」「天丼」(どちらも掛川)以外のものは全て今井荘で採用されたもの。
という事は、対局場は今井荘ではないか。

今井荘だと仮定すると、第1食の夕食注文の描写に合点が行く点が2つある。
まず夕食の注文を考える際、「昼食で食べたので除外」という描写がない事。
夕食メニューの中に昼食はないと思われるが、昼食はどうしたのだろうか。
そもそも、昼食をメニューを見て頼んでいれば夕食時に長考する事はないとも思える。
毎日新聞の山村英樹記者が書いた第64期王将戦第6局のタイムテーブル(週刊将棋)では、今井荘の対局で、関係者が両対局者にわさび丼を薦めていた事が分かっている。
今井荘では昼食時関係者が同じ食事をする事が多い事もあり、玉座戦でも事前にわさび丼が薦められ、両対局者がメニューを見ずにわさび丼を食べていたとすれば、夕食時に昼食に対する言及がないのも納得できる。
ここで黒瀬時彦七段なら天ぷらうどんに変化する所であるが、宝山玉座も峠六段も第3食でわさびを苦にしていないので食べられたはずだ。
対局相手とメニューが被るのが少し不安だが、峠六段が陣屋でカレーを食べないというのも考えづらいので、関係者含めて同じ物であるなら注文とは別枠になるのではないか。

そして今井荘のわさび丼で重要なのはその量。王将戦ブログで実際のわさび丼を見てみよう。

・1日目昼食休憩 [王将戦ブログ 第63期王将戦七番勝負第7局]

山葵がとても美味しそうだが、量が少し物足りない気がする。
少なくとも、大食いの宝山玉座にとっては軽そうだ。
宝山玉座がかつ丼と天丼を頼んだのは、昼食のわさび丼が物足りなかったのが原因ではなかろうか。
振り飛車らしい軽い攻めが75手目で止まってしまったのも、昼食が軽すぎたのが遠因だったかもしれない(とこじつけてみる)。
この2点が、私が今井荘を推す理由である。


昼食と夕食がはっきりすれば、残りはおやつである。
王座戦は午前のおやつはないので、玉座戦も考えなくていい。
午後のおやつは第61期王将戦第5局で公開されたおやつメニューを見ると「アイスクリーム ケーキ 和菓子 フルーツ」から選択式となっている。
実戦では和菓子が優勢だが、峠六段は女の子なのでケーキだった可能性もある。
ケーキの代りにシュークリームが提供された事もあるので、今回はシュークリームとしてみた。

今井荘は王将戦で使われた対局場なので、幸いな事に朝食メニューもスポニチ紙面から判明している。
というわけで、第5局の食事メニューの推定と食事画像は次の通り。
毎日新聞の旧王将戦中継サイトがリンク切れのため、残念ながら夕食の画像はなし。

第○期玉座戦五番勝負第5局
静岡県河津町今井浜温泉「今井荘
・朝食
宝山高善玉座:トースト、ローストビーフ入り野菜サラダなど洋朝食
峠なゆた六段:鯵の干物、伊勢海老の味噌汁など和朝食
・昼食
宝山高善玉座:わさび丼
峠なゆた六段:わさび丼
1日目昼食休憩
・午後
宝山高善玉座:和菓子と紅茶
峠なゆた六段:シュークリームと紅茶
2日目午後のおやつ
・夕食
宝山高善玉座:かつ丼と天丼
峠なゆた六段:ビーフカレー辛口


さて、実際の所はどうだったのだろうか。
※「将棋めし」第2巻第10食の情報により、午後の飲み物を変更
参考
第63期王座戦五番勝負の対局場所
第1局<横浜ロイヤルパークホテル>
神奈川県横浜市西区みなとみらい2-2-1-3
第2局<ウェスティンホテル大阪>
大阪府大阪市北区大淀中1-1-20
第3局<龍言>
新潟県南魚沼市坂戸山際79
第4局<仙台ロイヤルパークホテル>
宮城県仙台市泉区寺岡6-2-1
第5局<常磐ホテル>
山梨県甲府市湯村2-5-21
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将棋棋士の食事とおやつに関する話だったが、将棋考古学沼ネタもこちらで。

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