前回に引き継いで
将棋棋士DBから記録を考える。
その後の調査によって、加藤一二三九段と米長邦雄永世棋聖の成績が判明した。
加藤一二三九段は
・1955/11/30静岡新聞での木村義雄十四世名人とのお好み対局
米長邦雄永世棋聖は
・1971/12/26NHKでの大山康晴名人とのお好み対局
がそれぞれ漏れていたと判明。
中原誠十六世名人を含め、大棋士の全成績がDBに反映され、いつでも閲覧できる事になりそうだ。
そうなると、今まで疑問だった事が一つ解決できそうな気がする。
そう、加藤一二三九段のその他優勝1回がなんなのか調べる事ができるのだ。
で、調べてみた。
…ありえそうなのは第14回の東西対抗勝継戦5連勝しかないのだが、連盟の公式サイトでは10連勝以上しか履歴がない。
終了・休止棋戦
しかし、ここでおかしい事に気づいた。
何故ならば、賀集正三七段は5人抜きで東西対抗勝継戦を優勝しているからだ。
平成26年度版将棋年鑑
そこで、1953年10月20日以降の東西対抗勝継戦の5連勝以上の成績を全て抜き出してみる事にした。
| 棋士 | 回数 | 連勝数 | 優勝履歴 | 補記 | 
| 松田茂役 | 05回 | 9連勝 | その他優勝3回 |  | 
| 宮坂幸雄 | 06回 | 5連勝 | 東西対抗勝継戦優勝 |  | 
| 大友昇 | 06回 | 14連勝 | 東西対抗勝継戦優勝 |  | 
| 丸田祐三 | 08回 | 5連勝 | その他優勝1回 |  | 
| 有吉道夫 | 10回 | 5連勝 | 1960年度優勝なし |  | 
| 廣津久雄 | 11回 | 6連勝 | その他優勝2回 |  | 
| 宮坂幸雄 | 12回 | 6連勝 | 東西対抗勝継戦優勝 |  | 
| 山田道美 | 12回 | 8連勝 | その他優勝2回 |  | 
| 花村元司 | 13回 | 6連勝 | その他優勝2回 |  | 
| 木村義徳 | 14回 | 5連勝 | 東西対抗勝継戦優勝 |  | 
| 佐伯昌優 | 14回 | 5連勝 | 東西対抗勝継戦優勝 |  | 
| 佐瀬勇次 | 14回 | 5連勝 | 1964年度優勝なし |  | 
| 松田茂役 | 14回 | 6連勝 | その他優勝3回 | 連勝2度目 | 
| 加藤一二三 | 14回 | 5連勝 | その他優勝1回 |  | 
| 米長邦雄 | 15回 | 6連勝 | 1965年度優勝なし |  | 
| 内藤國雄 | 15回 | 15連勝 | 東西対抗勝継戦10勝以上 |  | 
| 二上達也 | 15回 | 7連勝 | その他優勝2回 |  | 
| 賀集正三 | 16回 | 5連勝 | 東西対抗勝継戦優勝 |  | 
| 西村一義 | 16回 | 11連勝 | 東西対抗勝継戦優勝 | 1966年度に2度優勝 | 
| 山田道美 | 16回 | 5連勝 | その他優勝2回 | 連勝2度目 | 
| 西村一義 | 17回 | 5連勝 | 1967年度優勝なし |  | 
註・記録に漏れがありました。
こちらの記事で修正しています
これはもう確実である。
東西対抗勝継戦は、オールスター勝ち抜き戦と同じく、5連勝以上で優勝なのである。
そして、加藤一二三九段らの「その他の優勝」の多くは東西対抗勝継戦なのである。
こう見てみると、疑問点もいくつか出てくる。
・同じ優勝で(同じ年度でも)、「東西対抗勝継戦優勝」と「その他の優勝」と違うのは何故か
・10連勝以上の中で、内藤國雄九段だけ「東西対抗勝継戦10勝以上」となっているのは何故か
・西村一義九段の優勝2回は、16回に2回ではなく、16回と17回で1回ずつなのではないか
・有吉道夫九段、佐瀬勇次名誉九段、米長邦雄永世棋聖は優勝数が1回ずつ少なくなっていないか
特に米長邦雄永世棋聖に関しては、一般棋戦優勝回数が触れられることもあるので非常に重要である。
もう少し情報を精査した上で、確実に判断をしたい所。
この件に関して詳しい事が分かる人がいれば、是非教えて欲しい。